【2025年問題】中小企業が打つべき採用の一手とは?|現状と5つの対応策

2025年問題に対して打つべき次の一手とは

ここ最近、世間では「2025年問題」という言葉を耳にするようになりました。この問題を簡単に説明すると、いわゆる団塊の世代が、2025年に75歳以上の後期高齢者となり、「超高齢化社会」を迎えることで起こる、様々な影響を「2025年問題」として議論しています。

では、具体的にどのような影響があり、採用ではどういった対策をすればよいのでしょうか? 

日本全体の問題として関心の高まる「2025年問題」を、わかりやすく解説し、採用における対応策を紐解いていきたいと思います。

2025年、地方での人手不足はより深刻化へ

現在、政府や企業などが資産している数字を参考にすると、2025年に15-64歳までの生産年齢といわれる人口が7000万人まで落ち込むと予想されています。首都圏に関しては現在の水準を維持可能といわれていますが、それ以外の地域では今後も引き続き、人材不足が深刻な問題となってくるでしょう。

医療や保険など、社会保障の面の話をすると長くなってしまうので、ここでは生産年齢人口の話だけに絞りますが、現状の専門家などの見解によると、東京・神奈川・千葉・埼玉などの首都圏以外の地域では、軒並み1割ほど人口が減少するといわれており、地域の高齢化と共に、人手不足も深刻化することが予想されます。

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2025年問題は企業にどのような影響を及ぼすのか?

業界によって不足の度合いは様々! ほぼ全ての業種で人員は不足する

業種のよって人員の減少率はまちまちですが、例えば、コマツのメーカー名で、油圧ショベルやブルドーザーといった建設機械(建機)を提供している、株式会社小松製作所様の独自調査によると、2025年には現在の建設技能労働者の4割が退職し、約130万人もの需給ギャップが発生するというデータを算出しております。

また、2015年の国土交通省が出した調査によると建設業従事者の約3割が65歳以上で、29歳以下はわずか1割という結果もでています。今後はさらに深刻化が予想されます。

農業、水産業などの第一次産業に関してはもう数十年前から人手不足が問題になっており、既に大きな問題となっています。今後は、サービス業なども徐々に問題が深刻化していく可能性が高いです。

ただでさえ人手不足なのに介護業界はさらに人員が必要になる?

2025年問題で一番人手が必要となる職種のひとつが、介護業界といわれています。構成労働省発表の「2025年に向けた介護人材にかかる需給推計(確定値)について」では東京・大阪などの大都市を中心に約2万人の不足が予想されています。

しかもこれは、介護業界にとっては通過点でしかありません。当然、介護が必要な高齢者はその後、数年に渡り増えます。経済産業省の「将来の介護需給に対する高齢者ケアシステムに関する研究会報告書」によれば、2035年に要介護認定者の数は960万人をこえ、より人手不足は深刻に。このままでは満足な介護サービスを受けることが出来ない、介護難民が増えてしまう恐れもあります。

2025年問題に対する5つの対応策とは?

団塊の世代

2025年問題は、国単位の問題ですが、改善策に関しては、その業種によって対応が大きく違ってきます。外国人労働者の確保以外で考えられる企業の対策案には以下のようなものがあります。

様々な働き方や人材を認めるダイバーシティ化

これはサービス業、介護業などの傾向が強いですが、日数を決めての兼業での勤務や、フルタイムでの業務ではなく、「6時間くらいなら勤務できるけど…」という労働者の希望を聞いて働いてもらう方法です。これは飲食業や宿泊業など、重労働といわれている業種には特に効果的といわれています。

短時間勤務での就労が可能となれば、子育て中の方や、長時間勤務に不安を抱えるシニア層の方、また、週28時間の労働時間の上限のある外国人留学生など、より幅広い層との雇用マッチングが生まれます。

既存スタッフの離職率を下げる社内改革

今後、人手確保が困難になることに備え、現在雇用しているスタッフの離職を避けることも対策のひとつだといわれています。例えば離職率が高いとわれている介護業界だと、現状の高い離職率を下げるだけで数十万人の需要が確保できるという試算もあります。離職率を下げるには、従業員の求めている待遇や体制を把握し、積極的な社内改革や、風通しのいい職場作りが求められます。

シニア・シルバー人材の雇用拡大

「高齢者」の意味も今と昔では変わっています。70代を過ぎても元気で職場に活躍の場を求める人はたくさんいます。若い頃のようにはアクティブに働けない面もありますが、短時間勤務や単純作業など、ニーズに合わせた働き方を提供することで、企業の重要な戦力になります。そういったシニア・シルバー層を活用する方法も、今後は注目されることでしょう。

テクノロジーの面で専門業務が必要な状況を補佐する

これは建機などのオペレーター、タクシーや路線バスなど、専門技術や資格が必要な業種が該当します。これまで専門の技術者が専業でやってきていた仕事を、アプリや本社とのデータリンクでサポートし、パートやアルバイトなどにやってもらう方法です。自動車でいえば、マニュアル車だけだった車に、オートマチック車が登場したことで、運転に自信がない人でも、より簡単に操作できるようになりました。同じように、操縦者をテクノロジーの力でサポートすることで、熟練した技術がなくとも、安全かつ効率的に操作を行えるようになるといわれています。

これまで専門技術を持った人材しか携われなかった仕事へのハードルを、テクノロジーの力で下げることができれば、雇用のマッチングを上げることができます。

人手不足は産業ロボットでまかなう動き

2015年に川崎重工業様は、製造現場の自動化と労働力不足解消のために、新開発の双腕スカラロボット「duAro(デュアロ)」を発表しました。このロボットは、これまでのように専用ラインを設けず、人間と一緒の製造ラインで作業することを目的に開発されました。技術の進歩により今後は、産業用ロボットと人の作業員が共同で仕事をする現場増えるかもしれません。

まとめ

人手不足の原因は業種によって様々です。しかし、生産年齢が減ることに関してはこれまでの人口推移で明らかです。2025年問題に向けて、今後の人材確保にはどういった対策が必要なのか、早急対策が迫られています。

基本的な取り組みのベースとなるのが、「より多様な人材が働きやすい環境(社内体制)を整える」ことです。それにより、採用の門戸を広げ、応募者を確保することにつながりますし、既存スタッフの離職率の改善にも繋がります。

社内改革という新たな取り組みが増えることで、人事・採用担当者の皆様はより多忙を極めることになります。

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採用管理ツールをうまく活用しながら、「2025年問題」の対策に乗り出してみてはいかがでしょうか。

参考文献:

国土交通省 建設産業の現状と課題

介護士不足問題、2025年は序章?介護現場は2035年に破綻の危機を迎える!?

国立社会保障・人口問題研究所ホームページ

川崎重工業が作業者ラインに設置可能な双腕ロボットを発売

12年で市場規模50倍 ロボット農機が日本に「もうかる農業」を作り出す

 

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採用Webマラボ編集部

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辻 惠次郎

ネットオン創業期に入社後、現在は取締役CTOとしてマーケティングからプロダクトまでを統括。
通算約200社のデジタルマーケティングコンサルタントを経験。特に難しいとされる、飲食や介護の正社員の応募単価を5万円台から1万円台に下げる実績を作り出した。
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