オウンドメディアリクルーティングでの求人票の書き方講座Vol.2 【地方採用編】UIターン採用はご当地情報提供で安心感獲得

オウンドメディアリクルーティングでの採用成功コラム、第2弾は地方採用を成功させるための求人票の書き方をお届けします。

前職リクルート時代、『ご当地採用』を推進する求人メディアの立ち上げにかかわらせてもらい、札幌から鹿児島まで毎週どこかに出張キャラバンするという、しんどかったけど楽しい日々を経験しました。焼酎の酒蔵、メガネの製造、温泉旅館、畜産業、漁業、離島の村おこし、など、多数の地元企業での採用課題に、現地の営業と一緒に立ち向かっていました。今日はその時に気づいたヒントや事例をご紹介します。

■STEP.1 給与・待遇より職場情報×仕事情報

地方企業で採用課題をヒアリングしていると「うちは給与が安い」「待遇が整っていないから採用できない」という社長や人事責任者の嘆きをよく耳にしました。

一方で、その職場でイキイキと働いている人に「なぜこの職場で働き続けているのか」をヒアリングすると、「社長や一緒に働いている人と気が合う」とか「仕事内容が自分に合っている」と、給与待遇と違った観点に魅力を感じて働いていることが多いです。

働くモチベーションの源泉には4つの型があるといわれています。

会社との関係を重視する『組織型』
職場の人間関係を重視する『職場型』
仕事そのものを重視する『仕事型』
生活のための条件を重視する『生活型』

お会いした方々は、どちらかというと『職場型』『仕事型』の方が多い感触があり、当時の求人原稿もそこにアピールポイントを置いた広告として作成した記憶があります。

求人媒体・サイトに掲載して募集する場合は、どうしても他社との比較の中にさらされるので掲載する側の企業は給与や条件の見劣りに目が行きがちですが、働いている人は(そこはいいに越したことがないですが)職場や仕事内容の情報を重視しています。そこに注力した求人票を作成しましょう。

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■STEP.2 画像や動画を駆使して情報を伝えよう

職場型や仕事型に響かせる求人票の作り方について、言葉で書いてもいいのですが、早くしっかり伝えるためには『画像』を使いましょう。働いている職場や、仲間が談笑している写真にひとことコメントを添えて掲載してみたり、仕事の流れを動画で紹介してもわかりやすいです。

こういった素材はプロに頼んでもいいのですが、iPhoneがあれば充分。人物写真は『ポートレート』で撮影すると奥行きが出ますし、動画は撮影したムービーを『iMovie』を使えば編集やテロップ挿入も簡単に行えます。解像度も高いですし、求人オウンドメディアで使うには充分なレベルです。動画編集はTikTokなどの動画SNSに慣れている若いスタッフに手伝ってもらってもいいかもしれません。

■STEP.3 周辺ロケーションに採用パワーをもらおう

 採用対象者の居住地を周辺地域にまで広げるとターゲットも増えるので採用も進めやすくなります。その際に重要なのは職場の周辺情報。周辺ロケーションも採用力に重要なパワーを注入してくれます。

「駅から職場までの県道の景色で四季を感じられます」
「お昼休みは近くの定食屋へ。日替わり(500円)はとれたばかりの魚で最高。」
「(市電の)電停が職場の前なので、傘も不要で通勤は便利。」
「裏の市場は夕食の食材の宝庫、メニューには困りません」
「駅前の二色の湯で疲れを落として帰る人もいます」

などなど。

働くということは、移住までいかなくても生活環境やリズムが変わります。求職者の多くはそこに不安を持って応募を躊躇することもあります。職場の周辺に何があるかをわかりやすく伝えることは、地方採用のポイントでもあります。

■STEP.4 ここまでやれば完璧~マツダ株式会社の事例

ひとつ事例を紹介します。広島のマツダ株式会社さんの採用サイトですが、これが非常に秀逸です。

 

blankhttps://www.mazda.com/ja/careers/experienced/

事務・技術系キャリア採用という主に転職者向けの求人ページには『会社を知る』『戦略とこだわり』『採用情報』に並んで『広島で働く魅力』というコーナーを設置して広島の魅力をあまねく紹介しています。

県外から広島へのアクセス(飛行機や新幹線)
広島市内のアクセス(市電)
周辺、市内の人気スポット(観光地情報:広島観光ナビのリンク、人気の食事)
住宅情報(市内の人気住宅エリアベスト3の紹介)
東京と比較した賃貸マンションの相場、戸建てを買う人向けの相場
待機児童者数や子育て環境の情報
公立小学校の学力や高校・大学の進学状況、県立高校の海外提携先
など

最初見たときに、広島県庁の生活情報課かと思ったら、県庁の「ひろしま暮らしサポートセンター」も移住相談窓口として協力していました。

マツダさんだから…と言ってしまうとそれまでで、私も離島の島おこし採用という移住前提の求人案件を手掛けたときは、募集広告の1/4は島の生活情報に割き、その成果あってか40名近い応募者を呼び込むことに成功しています。

昨今のコロナ禍も追い風になり、地方への移住が見直され始めています。満員電車、高い家賃、高い生活費を払って都市圏にこだわって生活する意味があるのか?と。ここで足かせになっているのは「仕事はあるのか?」の不安。これを払しょくする求人情報をオウンドメディアに載せてしっかり届けてあげることで、彼らの背中を押し、採用を勝ち取ることもできると思います。

今回の記事をヒントに、ぜひいい求人票を作成してみてください。

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採用Webマラボ編集部

採用に関するお悩みならお任せ!採用業界に精通しており、Indeedや求人ボックスなどの求人検索エンジンから、リスティング・ディスプレイ広告などまで幅広い知識を持った、採用Webマーケティングのコンサルタントなどが記事を執筆していますm(_ _)m

監修者
監修者
辻 惠次郎

ネットオン創業期に入社後、現在は取締役CTOとしてマーケティングからプロダクトまでを統括。
通算約200社のデジタルマーケティングコンサルタントを経験。特に難しいとされる、飲食や介護の正社員の応募単価を5万円台から1万円台に下げる実績を作り出した。
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