「働き方改革」「同一労働同一賃金制度」「コロナウイルスによる勤務体制の変化」など社員の働きやすさが重視されている昨今では、人事戦略の成否が企業成長のカギになっています。
これまではどちらかといえば裏方だった「人事部門」が大きく注目をされ始め、その最高責任者である「CHO/CHRO」も耳にする機会が増えました。
本記事では、CHO/CHROと人事部長の違いから、求められるスキルや重要性について解説します。
目次
そもそも「CHO/CHRO」とは?
CHOとは「Chief Human Officer」の頭文字を取ったもの、CHROとは「Chief Human Resource Officer」の頭文字を取ったものです。
どちらも同義語で、「最高人事責任者」という意味になります。
似た言葉に、最高経営責任者を指す「CEO(Chief Executive Officer)」や最高執行責任者を指す「COO(Chief Operating Officer)」「HRBP(Human Resource Business Partner)」などがあります。
「HRBP」については、以下の記事で解説しています。
⇒近年注目されている「HRBP」とは?|新しい人事戦略の一手として
CHO/CHROは企業の人事に関して統括する役員です。組織作りや従業員のモチベーション管理を行い、人材資源を経営の面から分析・改善を行います。CEOの右腕として、人事のプロフェッショナルの立場から意見を求められることもあります。
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「CHO/CHRO」に求められるスキルとは?
まずは、「CHO/CHRO」が業務を遂行するうえでどういったスキルが求められるのかを見ていきましょう。
経営戦略や事業戦略への深い理解
ビジネス環境は日々大きく変化しています。企業が事業運営を行っていく上で関係してくるものすべてを理解し、目的を達成するための施策のことを「経営戦略」といいます。
「経営戦略」は、多くの事業を束ねる戦略を指すのに対して、「事業戦略」は個々の事業レベルの戦略を指す場合が多いです。この両方を深く理解し、「人事部門」として信頼を得ながら経営に携わっていく必要があります。
経営戦略や事業戦略が、今の会社の人材で遂行できるかどうか、難しい場合にはどういったスキルを持つ人材が何名ぐらい必要かなど、経営と人材のバランスを計り、具体的な進言や提案するスキルが求められます。
従業員のことを知るためのコミュニケーション力
部下はもちろんのこと、他部署の社員にもに信頼されるコミュニケーション能力も必要です。
- 働きやすい職場環境や充実した福利厚生などで社員を定着させ、離職率を下げる
- 配属した社員がうまく現場で機能しているか、必要な人材の採用は進んでいるか、社員は満足してモチベーションが上がっているか、などのマネジメント
上記のような会社の福利厚生・環境づくりに対するノウハウも必要です。従業員の声に耳を傾け、従業員満足度を高める役割も担います。
人事のプロフェッショナルであること
人事業務のプロフェッショナルであることは必要最低条件です。人事労務を統括し、労働基準法や厚生労働省からの指示などに基づきながら、
- 人事異動
- 昇進昇格
- 採用活動
- 社員研修
- 労働トラブルの対応
などを行う必要があります。
あわせて、社員の育成方法を確立することも大切です。従来は個々の部署に任せる方法が多く取られていましたが、部署や担当者によって育成方法や方針が異なるため、「どのような人材が必要か」という視点で人材の育成方法を考えて、各部署に浸透させていく必要があります。
もちろん上で述べていること以外にも、組織の一員として課題把握能力や問題解決能力、リーダーシップややりぬく力なども求められます。
CHO/CHROの重要性
続いてCHO/CHROが企業にとっていかに重要かというのをお伝えします。
人材が経営上で最も重要な時代
労働人口が減少傾向にあるこれからは、「人材」が最も重要な経営資源になると予測できます。
重要な経営資源の一つに「資金」もありますが、資金を調達するには様々な方法があります。しかし、いくら資金があっても働いてくれる社員がいなければ目標を形にすることはできません。ビジネスの環境の変化が大きい現代では、ただ採用するのではなく、経営戦略と紐づいた人事戦略を練っていくことがとても重要になっています。
従来の人事部長との違い
人事部門のトップである人事部長とCHO/CHROの違いは、その権限の大きさです。
人事部長は、人事労務の責任者で主に管理面・実務面に特化しています。一方でCHO/CHROは、経営陣として経営会議や取締役会に参画する権限があります。
経営戦略や事業戦略に深く関わり、必要な人事施策を企画・実行していくため、経営に関する知見とマネジメント能力が求められます。
人事部長が売上や利益といった数字に対して責任を取るということは基本的にはありませんが、CHO/CHROは人事戦略を通じて売り上げや利益といった数字に対する成果を求められます。
現在のCHO/CHROにおける実情
CHO/CHROについてお伝えしてきましたが、では実際の日本企業の設置状況はどうなっているのでしょうか。
社内ではなく、外部から雇用している
導入している企業の大多数は、CHO/CHROの求人を出していたり、外部から転職等を通じて雇用しているようですが、それでも日本におけるCHROの認知度や設置率はまだまだ低いものです。
IDC Japan株式会社様の調査によると、2016年10月時点でCHOの設置率は10.5%に留まり、41.3%の企業が人事部長がCHO/CHROの役割を果たしているとの結果でした。(参照:プレスリリース:国内企業の人材戦略と人事給与ソフトウェア市場動向調査)
経営戦略を実現するために柔軟な人事施策を行える人材が少ない
昨今、ビジネスの環境は変化が激しく、一つの考えや方法に固執していると、あっという間に出遅れてしまいます。迅速に、変化に対応した人事施策を打ち出すことは非常に難しい課題です。
日本の人事部(Profuture株式会社様)の人事白書レポートによると、経営戦略に必要な人材を人事部門が採用、配置、育成出来ていないと答えた企業は70%近くまで上りました。
出典:『5割以上の人事部門は経営戦略の意思決定に関与できていない|人事白書調査レポート 』
上記の調査によると、経営戦略の意思決定に関与している人事部門は45.9%という結果が出ています。経営戦略の意思決定に人事部が関与する必要があると感じながらも、実際は柔軟な人事施策を考えられる人事部門が少ない事が分かります。
出典:『5割以上の人事部門は経営戦略の意思決定に関与できていない|人事白書調査レポート』
そのため、ビジネスにも人事部門にも精通したCHO/CHROの需要が高まってきていると言えるでしょう。
まとめ
今回はCHO/CHROに必要なスキルや重要性について解説しました。
CHO/CHROになれる人材は、「人事に関する幅広い知識」と「経営陣のような考え方ができる能力」の両方を兼ね備えていなければなりません。
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